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しつこい頭痛・首こりの原因は後頭下筋群

しつこい頭痛・首こり・肩こりなどは現代病の一つとされています。これは後頭下筋群という筋肉のこりが原因かもしれません。またマッサージしても、すぐに症状が戻ってしまうという人はこの筋の緊張が緩んでいない可能性があります。

 

そしてこの筋肉はマッサージ・整体などでは緩まず、鍼灸治療のみが有効になるのも特徴の一つともいえます。

またこれはしつこい頭痛(片頭痛・緊張性頭痛)にもこの筋肉を緩ませておくことで、頭痛にも効果的な筋肉です。

 

そこでなぜこの筋肉が硬く緊張(こり)しやすいのか?
または緊張緩和(コリが取れる)しにくいのか?
などをこの筋肉の特徴などを紹介しながら説明していきたいと思います。

大後頭直筋
小後頭直筋
下頭斜筋
上頭斜筋
の4つの筋群のことを後頭下筋群といいます。

なぜこの筋肉が緊張しやすいのか?

それは現代の生活様式が肉体労働から事務作業に変化したこと、つまりパソコンやスマホのディスプレーを見ることが多くなったことが大きな要因の一つです。

1 姿勢・・・この筋肉は頸椎と頭蓋骨の後部をつなぐ筋肉ですので、パソコンやスマホを見る姿勢、つまり下を向く姿勢(頚部の前屈)の維持で常に収縮を強いられる筋肉なのです。

これはやや猫背で首を前傾させ目を使う姿勢です。いわゆるスマホ肩ともいわれています。

ちなみに肩甲骨に注目すると猫背の人はたいてい肩甲骨が外に開きます。肩甲骨よりも本質はこの後頭下筋群の問題のことが多いのです。したがって肩甲骨周囲のマッサージなどではその場は良くてもすぐに戻ってしまうのはこのことが理由なのです。

2 目を使う作業・・・この筋肉は目の動きと連動して収縮する筋肉です。後頭直筋は目を上下に動かすと収縮する筋肉です。また頭斜筋は目を左右に動かすときに収縮する筋肉です。
この部分を触りながら目を動かすとピクピクと収縮しているのがわかります。
したがって一日中目を使うような場合は常にこの筋肉が収縮を強いられることになります。

この筋群が緊張状態だと、疲れ目の原因になったり、焦点が合わなくなったりと目の症状も出やすくなります。

 

3 筋肉の特異性・・・自律神経の影響を受けやすい筋肉であるということ。研究によると後頭下筋群には筋紡錘という組織が特に多いといわれています。筋紡錘とは筋肉の緊張度合いを調整する役割を持ち、交感神経が分布しています。
したがってストレスなど交感神経緊張状態ではこの筋肉が緊張するということになります。
大勢の人の前で緊張して体がカチコチになったり、お葬式の後に首や肩がこるのはこの交感神経とこの筋肉がリンクしているからです。

したがってストレスの影響が大きい場合は、後頭下筋群のアプローチとともに全身的なアプローチにより自律神経の調整が必要になってきます。

 

4 筋肉の位置・・・この筋は後頭部で頭蓋骨と頸椎を結ぶ非常に小さな筋かつ深いところに位置する筋です。したがって一般的なマッサージなどでもなかなかダイレクトに届かない筋肉です。したがって筋肉の緊張が緩まない理由の一つです。

あきらめていた頭痛や首こり、肩こりの人は一度ぜひ後頭下筋群の鍼灸治療を試してみませんか。

 

 

 

突発性難聴の鍼灸治療

 

当院では耳疾患に対する鍼灸治療もおこなっています。

このサイトに訪れている方はすでに突発性難聴についていろいろとご自分で調べられているものの思いますので、簡単な紹介の後に当院の鍼灸治療方針を紹介したいと思います。

 

〈突発性難聴とは〉

突然に耳が聞こえなくなる疾患で、時に回転性のめまいを伴う場合もあります。

原因はウイルス説・循環不全説などありますが、詳細はいまだ不明です。

発症1週間以内に治療を開始することが非常に重要とされており、まずはステロイドパルス療法が施行されます。医療機関によりディブラーゼ投与、星状神経節ブロック、高圧酸素療法なども併用される場合もあります。

ステロイドパルス療法を約2週間程度おこない、続けて血流改善目的で投薬治療が継続・経過観察されるのが一般的です。

この2週間で聴力の改善が認められる場合には予後良好であるとされる一方、聴力の改善が不変な場合には予後不良な場合が多いとされています。

その後、患者さんはビタミン剤等を服用しながら定期的な標準純音聴力検査をおこなうというのが一般的です。

さてここまでは耳鼻科での治療の流れを説明させていただきました。

まずは聴力の改善を目指します!

一番不快に思われるのは会話が聞き取れないことだとおっしゃる方が多いようです。人間の会話は下記のように1000Hzを中心とした領域の聴力が重要であることがわかります。したがってこの1000Hz周辺領域の聴力が改善すれば日常生活上の負担が軽減することになります。ただし蝸牛の解剖学構造上、低音領域のほうが改善しやすい傾向にありますので、聴力の変動を観察しながら鍼灸治療をおこなっていきます。

 

〈突発性難聴でつらいのは聴力の低下だけではありません〉

これまで突発性難聴の患者さんを数多く見させていただきましたが、患者さんがつらいと感じる症状は聴力の低下(難聴)のみではありません。むしろ難聴発症時より下記のような付随する症状にとても苦しんでいる例が多いようです。

  • 音が響いて聞こえる(リクルートメント現象)
  • 耳が詰まった感じがする(耳閉感)
  • 耳から異音が聞こえる(耳鳴)
  • ふわふわとした感じがする(浮動性めまい感)

これらの症状も実はとても不快なのです。

したがって治療目標・計画は以下のように設定しています

  1. 聴力の改善が第一目標。発症から約3か月間は耳鼻科でおこなわれる標準純音聴力検査を参考にし、効果を判定しながら聴力の改善目的に鍼灸治療をおこないます。聴力が少しずつでも改善している場合であれば継続して治療をおこないます。
  2. 付随する症状に対しても同時にアプローチし、消失を目指します。付随している症状は聴力の低下による内耳から聴覚野にいたるまでの補正現象の一つですので、補正が完了し症状が消失するように内耳の神経~聴覚野に至る神経系統に刺激を与え、早期の正常化を目指します。

聴力改善を目標としますが、残念ながら聴力低下のまま固定した場合でも、付随する症状が消失するだけで日常生活の質は大きく改善します。

当院の鍼灸治療

中枢神経の血流を改善、および自律神経の偏り(主に交感神経優位)を是正するようなポイントに鍼灸治療をおこないます。

 

当院では特に顎に着目し、顎関節の機能不全を改善するような方法を用いることで、耳疾患に対応していきます。

 

下記の項目が当てはまる場合は当院の鍼灸治療が効果的かもしれません。

 

・舌の辺縁部に歯の痕がついている。

 

・エラが張っているように見える

 

・口を大きく開けにくい

・首・肩がこっている。

〈その他〉

・どちらかの肩が下がっている。

・時々頭痛になることがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

男性不妊と鍼灸治療~精子の状態が悪い~

不妊の原因は女性50%、男性50%といわれています。
しかし治療のほとんどは女性というのが現状。

『主人の精子の状態もあまりよくないのですが、治療しなくてよいのでしょうか?』と当院にお越しになられた奥様から良くある質問です。

ご主人の精子の状態が多少悪くても、濃縮処理あるいは顕微授精であれば受精可能ですので無治療な場合も実は多いです。(サプリ服用は多い)

このような場合、男性に対する治療は本当に必要ないのでしょうか?

そういうことを考えてみるのが今回のブログの趣旨になります。

妊活の臨床をしているとご主人の精子の状態があまり良くないっていう方が結構おいでます。
はたして受精卵には影響がないのでしょうか?と素朴な疑問がわきますね。

上述した精液所見が悪くても、『処理すれば問題なし』、『顕微授精が可能になり精子の問題はある程度解決済み』というのは実は女性側(婦人科医)の見解です。

男性側(泌尿器科医)からみればいろいろと精子の問題も残っているという見解もあります。

そもそも数・運動率などの現在おこなわれている検査所見ですべてカバーできているのか?という問題提起する専門家もいます。

精子研究の歴史

そもそも精子研究の歴史は家畜分野で盛んであり、今もそうです。そしてその結果を受けて人間に応用している部分が非常に多いのが精子研究の特徴ともいえます。
しかしその結果として、家畜研究で精子(細胞)が一つでもあれば顕微授精は可能になっためヒト精子研究そのものの必要性について疑問符がついていたというのが歴史なのです。

これらのことから研究が女性側に比して遅れており、その研究者自体も少ないということになっています。したがって検査結果で男性側(精子)は異常なしといわれていること自体が正しいのかどうかさえ不明であると指摘する研究者もいる現状なのです。

  • 不妊の原因が女性側・男性側・もしくは両者のこともある。
  • 現在の精液所見がすべてを表しているわけではない可能性が高い。
  • 精子の研究は女性に比して遅れているからである。
  • したがって女性のみではなく男性も治療が必要な場合もある可能性がある。

さて上記を踏まえた上で、男性不妊に対して鍼灸治療ができることを中心に説明していきます。

数が少ない=乏精子症(Oligozoospermia)

精子の動きが悪い=精子無力症(Asthenozoospermia)

正常の形状の精子が少ない=奇形精子症(Teratozoospermia)

それぞれ個々の異常のみが見られるのではなく、同時にそれぞれの異常がみられる場合が多いのでこれらをOAT症候群と呼んでいます。

その原因は精子を造るのに問題がある(造精障害)男性不妊の82.4%といわれています。

この造精障害を分類すると最も多いのが原因不明で51%、次いで精索静脈瘤36.6%、その他12.4%となっています。
鍼灸治療はこの原因不明の造精障害および精索静脈瘤の一部軽度なものが適応になります。

原因不明なものも鍼灸治療のメカニズムは同じですので、ここでは精索静脈瘤を例にとり、なぜ鍼灸治療で精子が改善するのかを紹介したいと思います。

精索静脈瘤

ポイント!

グレード1では手術でも精液所見の改善が認められないことが多い。

そのため手術適応とならず、漢方薬やサプリメントなどの処方が一般的。
したがって、漢方薬やサプリメントなどであまり効果が現れないような人などが鍼灸治療の適応となるということがポイント。

さて乏精子症・精子運動率低下の35%は精索静脈瘤が原因で、精巣機能を低下させます。また二人目不妊の78%の原因になるともいわれています。

精索静脈瘤とは、精巣から腹部に戻る静脈が逆流するため、陰嚢部分に怒張した血管が見えるような状態になっていることをいいます。お年寄りのふくらはぎの内側の血管がふくらんでボコボコしているのを見たことがあると思います。あのような状態です。

グレード1 立位Valsalva負荷(腹圧負荷)で触診可能となる

グレード2 立位で容易に触診可能

グレード3 陰嚢・精索の視診のみで診断可能

グレード1が最も軽症で、立位で息を止めいきんだ時にやっと触診可能になる段階になります。ということは通常の立位のみでは異常はわからないということです。

この精索静脈瘤になるとなぜ精液所見が悪くなるのでしょうか?

現在のところ、精索静脈瘤は静脈の鬱血などにより血流が悪化します。このため陰嚢温度が上昇した状態になっていたり、鬱血による酸化が進むことで、造精子機能の低下、精子のDNA損傷、男性ホルモン分泌の低下といった問題が引き起こされ、精子の量や質に影響が及ぶとされています。

男性不妊の鍼灸治療

これまでの鍼灸治療の研究は女性分野の報告が多く、すでに基礎研究でも卵巣動脈や子宮動脈の血流改善は明らかになっています。このメカニズムを用いて妊活さんに鍼灸治療をおこなっています。しかし男性の研究は女性に比して少ないのは生殖医療も鍼灸治療も同じなのが現状です。

しかし基本的には男性も女性もメカニズムは同じですので、子宮・卵巣血流が改善すると判明している部位・刺激は男性の精巣も同様の反応を示すことが予想されていました。

今般、明治国際医療大学の研究グループから鍼灸治療により精液所見の改善が認められたと報告されました。

鍼治療前後の精液所見の変化

考察では前立腺機能の向上と精巣血流が改善した結果であるとしています。

したがって乏精子症(原因不明および精索静脈瘤のGrade 1を含む)に対する鍼灸治療の大原則は精巣動脈を拡張させ、血流を改善させることになります。

〈ここまでのまとめ〉
精索静脈瘤は精子の状態を悪化させる原因の一つである。
進行性でもあるので1人目が正常だったからといえ、2人目も正常とは限らない。
Grade 1は一般的には手術はしない。
鍼灸治療はこのGrade 1に試しても良い治療法である。

OAT症候群に対する当院の鍼灸治療のステップ

当院ではいきなり鍼灸治療を開始するわけではありません。(これまでの治療歴や年齢などにより異なりますが段階を踏んで対処しています。)

ステップ1

まずは漢方専門医・専門薬局などを紹介させていただき、漢方薬の投与で経過を観察します。同時に日常生活などを再チェックして生活習慣を見直すべきところは改善していただきます。

※漢方薬は処方する医師や薬剤師の経験などにより治療効果に著しい違いがあります。メジャーなものでは補中益気湯や八味丸です。結果的にその方剤が処方されたとしても、その処方の量やその他の方剤を組み合わせることで効果上がるのではないかとの考えで専門医にて処方してもらっています。

ステップ2

自宅でのセルフ灸で経過を観察します。

まずは一度来院していただき、数か所のツボに印をつけ自宅でできるタイプのお灸をおこない経過を観察します。

※腰部が多いため奥様がお灸をしてあげることができるように指導させていただきます。

ステップ3

お灸・スーパーライザー・手技療法で精巣動脈を拡張させるような治療をおこないます。

※過去のOAT症候群や慢性前立腺炎の治療経験から鍼治療をおこなわないステップを設けています。軽度のものであればこれでも前立腺機能の向上と精巣動脈の改善は可能です。

インナーマッスルである大腰筋の緊張を緩和させ、陰部大腿神経の絞扼を取り除くことで前立腺や精巣動脈の血流改善を目指します。

 

ステップ4

鍼灸治療をおこないます。

鍼に電気を流す手法や院長がもぐさをひねっておこなうタイプのお灸、スーパーライザーや手技療法などをフルに活用し治療していきます。

 

このステップでは1回/週の治療で10週~12週継続したのちに採精してみます。

このようにステップを踏んで治療を行うのには男性ならではのいくつかの理由があります。したがってそのご夫婦それぞれの妊活計画や年齢などによりステップ1から始める場合もありますし、いきなりステップ4から始めることもあります。

精子の状態を改善させて妊娠率を上乗せしませんかというご提案でした。

〈精子に対する鍼灸治療の論文紹介〉

 

生理前のイライラや落ち込みとセルフケア

生理前になるとイライラ、無性に腹が立ってご主人、家族に無性に当たってしまう。
非常に憂鬱になったり、テンションがガタ落ちしたりしていませんか?

それは月経前症候群(premenstrual syndrome: PMS) かもしれません。

 

月経前症候群とは月経開始3~10日前に生じるイライラや落ち込み、憂うつなどに代表されるさまざまな症状が出現し、これらは月経がはじまると軽快あるいは消失するものを月経前症候群(以下PMS)と言います。

20代の88%の人にPMSの症状が見られ、発症率の高い順では
イライラ、乳房痛、眠くなる、食欲が増すといわれています。

〈代表的な症状〉
精神症状:情緒不安定、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害
自律神経症状:のぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、頭痛、倦怠感
身体症状:腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなど
症状はこれらにとどまらず、実に150にも及ぶといわれています。

〈原因〉
はっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。

女性は男性とは違い、低温期~排卵~高温期~生理と変化する中で、ドラスティックに体内のホルモン環境が変化します。特に高温期の後半には卵胞ホルモンや黄体ホルモンが急激に低下し、その際に脳内神経伝達物質が変動し症状が出現するものと考えられています。脳内神経伝達物質はストレスにさらされた際にも異常をきたしますので、PMSの症状はストレスとも関連が指摘されていますし、ストレス時に出現する症状・反応によく似ているのはこのような理由からなのです。

〈治療〉
西洋医学的治療はピルなどホルモンを使用したり、抗うつ薬や抗不安薬など、また疼痛があれば鎮痛剤などが選択されます。

しかし一般的には、PMSで積極的に上記のお薬やホルモン剤を服用するという人は少ないと思われます。

ではこのような症状の人はそれぞれどのように対処しているのでしょうか

『大学生の月経前症候群(PMS)と日常生活習慣及びセルフケア実態』九州看護福祉大学の研究によると、日常生活に影響するPMS症状を持つ者で、セルフケア実践者は87%であり、その主な内容は、「十分な睡眠」、「気分転換」、「周りに”月経前”と言う」、「お腹・腰を温める」であったとしています。
この中で最も適用されていたのは、『十分な睡眠をとる』であったともされています。

しかし実際にはこのPMSを病気ととらえている人も少ないですし、先の研究(看護大学生の調査)においてもPMSそのものを知らない者は56.7%であったと報告されているのが現状です。

〈ここまでのまとめ〉

生理前のイライラや落ち込み、眠たくなる、食欲増進・低下などはPMSの症状の一つである。
20代の88%の人にPMSの症状が見られる。
実際にピルや精神薬を服用する人は多くない。
むしろセルフケアを実践している人が多いと思われる。

 

さてPMSの症状の強い人はなにより『自分を責めてしまう』ような傾向があります。

『あー、また旦那さんに当たってしまった~』
『あー、また子供に当たってしまった~』

『あー、またチョコレートどか食いしてしまった~』

そしてそれでまた落ち込むの繰り返しではありませんか?

さてここから本題。

鍼灸治療や自宅のセルフ灸でそれを改善しませんか?というのが今回のブログの趣旨です。

当院では妊活さんに鍼灸治療していますが、体調の変化の一つとして、

『ご主人と喧嘩することが少なくなった。』

『イライラするけどその度合いが以前とは違う。』

『イライラするけど自分でコントロールできるようになった』

などの変化を自覚される方が多いようです。つまりPMS症状の軽減がみられているということです。

鍼灸治療では脳内の血流改善や、自律神経の正常化、卵巣子宮などの血流を改善させたりすることでPMS症状が改善するのではないかと考えています。

三陰交などの自宅でのセルフ灸などでも有効な場合が多いのですが、臨床的には首や肩こりが強い人ほどPMS症状が増大する傾向にありますので、鍼灸治療でコリを軽減させておくこ とがポイントです。

 

〈セルフケアのためのツボ〉

PMSといえでども鍼灸学的には症状・体質などで必要なツボは異なります。

共通するツボ(三陰交・次髎・身柱・百会)

イライラタイプ(合谷・太衝)

落ち込みタイプ(照海・関元)

食欲増進タイプ(太白・足三里・中脘)

これらはあくまでも教科書的なツボであり、体やツボの反応を診てツボを決定する必要があります。

したがって、その人それぞれで、必要なツボはことなりますので、鍼灸師に一度必要なツボやお灸の仕方などを指導してもらった後にセルフケアをするとより効果的です。

一度試してみてはいかがでしょうか?

〈さいごに〉

PMSは周囲、特に既婚者であればパートナーにもある程度の理解が必要になりますし、すでに理解されているのかもしれません。

『わかってもらっているから私は良いのよ!』とするのではなく、PMS症状が少しでも軽減・改善するだけで、大幅にパートナーへの負担が軽減されるということを理解しておくことが必要なのです。

なぜならそれでパートナーとずっと仲良しで、しかも、もっと仲良しでいられるからです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

脊柱管狭窄症の鍼灸治療

腰部脊柱管狭窄症とは?


腰部脊柱管狭窄症とは腰椎の椎間孔や脊柱管という場所が狭くなることにより、主に臀部から下肢に神経症状が出現する疾患です。特徴的な症状は歩行時に徐々に神経症状が強くなり、歩行困難になってしまいます。しかし前かがみやかがんだ状態でしばらく休息していると、症状が軽減しまた歩行可能になるます。これを専門的用語で間欠性跛行(intermittent claudication)といいます。


歩行器やショッピングセンターのカートを押しながらであれば歩行可能な場合もあります。

ただし同じような症状を有する疾患に血管が原因の場合もありますので、そちらの検査も行ったうえで診断されることが一般的です。
日本では70才以上で約10%の方がこの疾患で悩んでいると言われています。
なにが問題なのか?
歩行ができなくなるという点で、高齢者の生活の質(QOL)が著しく低下してしまいます点が問題です。また超高齢社会において、ますますこの疾患で悩まれる方は増えることが推測されています。

脊柱管狭窄症の治療

この疾患の治療は手術療法と保存療法とに大別されます。一般的にはまず保存療法が選択され、無効な場合には手術が選択されます。ただし陰部や肛門部への神経障害や筋力低下がある場合には早期に手術が選択されます。保存療法には投薬治療や理学療法などが最初におこなわれ、投薬治療は疼痛を緩和させるものや血流を改善させるものが処方されます。しかしお薬を長期的に服用する副作用の問題も指摘されています。また理学療法は一般的に腰部の牽引療法や温熱療法、低周波療法などがおこなわれますが、その効果は不明です。さてここまで一般的な西洋医学で行われる標準治療を紹介しました。鍼灸治療は先に紹介した保存療法の一つになります。
鍼灸治療と投薬と理学療法の中で、どれが一番効果があるのでしょうか?
東京大学でこれらについて比較検討した論文があります。

腰部脊柱管狭窄症の3つの保存療法の比較研究:鍼治療と理学療法による腰部脊柱管狭窄症の研究
A comparative study of three conservative treatments in patients with lumbar spinal stenosis: lumbar spinal stenosis with acupuncture and physical therapy study (LAP study)

この研究では脊柱管狭窄症によるL5神経根障害を有する患者119名に対して、それぞれ投薬治療、運動療法、鍼灸治療に振り分け、その効果を比較検討したものです。
結果は鍼灸治療が、投薬治療や運動療法に比して優位に改善したと報告されています。
これまで脊柱管狭窄症に対する鍼灸治療が有効であるという報告はありましたが、保存療法の中でどれが一番有効なのかは不明でした。
しかしこの研究により最も優れた効果を示す可能性のある治療法は鍼灸治療であることが示唆されました。

それではなぜ鍼灸治療が効くのでしょうか?

~背骨の狭くなった部分が広がるの?~

そもそも骨棘や靭帯の肥厚、その他の原因により神経の血流障害が起こり、歩行で必要な神経血流が確保できなくなり神経症状が発症するのが脊柱管狭窄症なのです。手術は狭くなった部分を拡げることによって血流が改善し症状が軽減させるという目的でおこなうのです。
鍼灸治療は神経の周囲に刺激を行うことで神経そのものの血流が改善することで症状を消失させることを目的にしています。

脊柱管狭窄症と紛らわしい疾患

脊柱管狭窄症と診断・治療されている患者さんの中で、筋肉の凝り(トリガーポイント)が原因で同じような症状が出ている場合が時々見られます。また両者が組み合わさって症状を増幅させている場合もあります。
そのような場合は神経の血流を改善させる治療にトリガーポイント療法を組み合わせることで、より劇的な効果が得られる患者さんもいらっしゃいます。
筋肉(トリガーポイント)が原因の場合は画像検査には映らないので、丁寧に触診する必要があります。

脊柱管狭窄症と診断された方は、触診で確認ずみでしょうか?

忙しい病院の外来では時間的に困難な場合が多く、この点は鍼灸師でないと鑑別は困難かと思います。
神経の血流を改善すべきなのか?トリガーポイントからの痛みなのか?また混在しているのか?などを理学所見を丁寧に聴取し、治療することで精度効果は増大します。

まず手術ではなく、保存療法で最も効果的だと研究で明らかになっている鍼灸治療を試してみませんか。

まとめ〉

脊柱管狭窄症は一部を除き、保存療法が選択される。
その保存療法でもっとも効果的であるのは鍼灸治療である。
鍼灸治療は障害されている神経の血流が改善することで症状を消失させる。
中には筋肉の凝り(トリガーポイント)が原因のこともある。
画像診断のみではなく触診を含む理学所見を聴取すべきである。
手術を選択する前に鍼灸治療を試みるべきである。

当院の場合
通院頻度は最初の2週間は3回/週の治療が必要となります。その後は2回/週を目安に、3か月程度の治療期間が必要になります。

ただしトリガーポイントが原因として考えられる場合には2回~1回/週で1か月程度で症状は消失するでしょう。

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