片頭痛には鍼灸がおすすめ

日本で片頭痛に悩んでいる方は人口のは8%といわれ、QOL(生活の質)を著しく低下させます。

一般的な治療法としてはトリプタン製剤が有用ですが、あまり効果がない場合や投薬過多により薬物乱用性頭痛の存在も指摘されています。トリプタン製剤で反応しにくい人に対しての新薬もまた研究されるでしょう。しかしまたそれも効果がない人も必ず出てくるでしょう。

本記事ではトリプタン製剤などの投薬治療に反応しにくい(効果がない)人や投薬でコントロールできている人でも投薬の回数を減らしたい、最近頭痛発作の頻度が短くなってきた、などの人に対して紹介するものです。

なぜ片頭痛が鍼灸で良くなるのでしょうか?

片頭痛は必ず最初にあるスイッチがONになることにより発作が始ます。

このスイッチは誘発因子によって起こることは知られています。

チョコレートやチーズ、アルコールなどの食品、月経、ストレス、睡眠不足・過剰など人それぞれあると思います。

その誘発因子プラス背景因子としてこれまで見逃されていたポイントが今回紹介する目的です。

片頭痛を楽にしたければ肩こりを解消しよう!

首や肩の筋肉のコリを処理して、柔らかくしておくと片頭痛のスイッチがONに入りずらくなります。結果として片頭痛の頻度や程度は軽減することが明らかになっています。

専門的なメカニズムは記事の最後に論文を紹介してありますので詳細を知りたい方はそちらの方へどうぞ。

普段から首・肩こりの自覚がある場合や自覚はないが、美容院などで触ってもらうと硬い!と指摘されている場合も同様です。

特に特徴的な症状を紹介します。

鍼灸療法が特に有効な人の特徴

  • 日頃から首・肩が凝っている人(自覚はないが美容院なので硬いと言われたことがある人)
  • 朝、起床直後より首やかたが硬いと感じる人
  • 顎が疲れて口が開きづらい人
  • 自身の舌の周囲がギザギザになっている人
  • パソコンを見ていて疲れ目や目の奥の違和感が出やすい人

日頃から首・肩が凝っている人(自覚はないが美容院なので硬いと言われたことがある人)

朝、起床直後より首やかたが硬いと感じる人

顎が疲れて口が開きづらい人

エラが張っているように見える

自身の舌の周囲がギザギザになっている

パソコンを見ていて疲れ目や目の奥の違和感が出やすい人

このような症状がある人は首や肩にすでにコリが形成されていることが推測されるので、特に鍼灸療法が有効なことが多いです。

どんな施術をするのか?

頸肩部(三叉神経支配領域)のトリガーポイント(コリ)を処理し、筋肉そのものを柔らかくしていきます。また多くは自律神経の乱れも関与しているのでそれを整えるような施術も加えます。

1回/週の頻度の施術していき、経過を見て間隔を

鍼灸療法の報告

片頭痛発作予防に対する鍼治療効果 : 頭痛日数の減少と頭頸部等筋群の圧痛改善との関連について

 鍼治療を一定期間継続することにより、頭痛日数が減少するとともに、頸肩部の筋群と咀嚼筋の圧痛や緊張が改善したことから、片頭痛に対する鍼治療効果はこうした筋群の圧痛を緩和することで頭痛日数が減少し、発作予防に寄与したものと考える。また、片頭痛の発作予防に対する鍼治療の作用機序は、上位頸神経や三叉神経を求心路とし、三叉神経脊髄路核を経て高位中枢に影響を及ぼし、発作予防に関与している可能性も考えられる。

頭痛に対する鍼灸治療の効果と現状

基礎研究の立場から  鳥海 春樹

三叉神経領域に形成されたトリガーポイントを何らかの方法で処理すると偏頭痛発作の頻度が低下することは良く経験するところ・・・

・・・三叉神経系への慢性的侵害刺激が偏頭痛発作の前兆に関与する大脳皮質拡延性抑制の発生閾値を大きく低下させ、また発生時間を遷延させる・・・頭頸部の筋硬結や筋痛を治療する鍼治療が偏頭痛発作を抑制する経験的事実を裏付けるものである。

片頭痛に対する後頭部C2末梢神経野鍼通電療法:-天候の変化による発作の誘発が軽減された一症例-

本症例では主誘因である天候の変化による頭痛発作の誘発が軽減されたことが特徴であり、 後頭部C2末梢神経野鍼通電療法による三叉神経脊髄路核の感作の抑制が関連している可能性がある。

片頭痛の病態研究および治療に関する最近の知見より