メニエール病
メニエール病は回転性めまいに難聴と耳鳴が伴っておこるものをいいます。(定型)
ただし回転性めまいのみ、耳鳴・難聴のみの場合もあり、非定型例といいます。
回転性のめまい発作は通常1時間から6時間程度(人により数時間から半日程度の場合もあります)で治まってきます。
内リンパ水腫が原因とされていますが、なぜ水腫になるのかは現在の所不明です。
急性期にはステロイドや利尿剤、吐き気やめまいを押さえる薬が処方されます。
この疾患の場合はある日突然、回転性めまいが出現するため、仕事はもちろん、外出先や旅行先などでの発作への恐怖、不安感が常につきまといます。また無症状の時に予防的に薬を服用するのにも抵抗があり、発作を繰り返すようになります。
通常発作を繰り返すとどうなる?
初期には低音のみの聴力低下⇒進行すると全周波数の聴力低下や健側聴力も低下し、難聴、耳鳴り、補充現象などの症状が固定し不可逆性になります。したがって早期の診断・治療を始めることによって進行をくい止め、または治癒させることが重要になります。
したがってメニエール病に対しては、めまい発作をおこさないような予防的治療がすなわち、患者さんの日常生活の質を上げ、また聴力の低下消失を防ぐことになります。
治療法
急性期:基本的には対象療法となります。
7%重曹水点滴静注(~250ml)
鎮吐薬・抗不安・催眠薬・抗めまい薬・血管拡張薬・ビタミンB
ステロイドなどで治療対処することが多い。
慢性期:
生活指導・心理的アプローチと薬物療法などを組み合わせることでおおむね70%は発作予防に有効であると報告されています。
しかしストレス源を排除することや、心拍数100-120/分の運動を1時間以上週3回以上おこなうことが困難な方も多いのではないでしょうか?
そこで鍼灸治療が重要な役割をします。
セルフチェック
首・肩がこる。特に起床時しばらくは特にその傾向にある。
エラがはっているように見える
口が開けにくい
舌の周辺がガタガタになっている
以上のような所見があれば特に当院の鍼灸治療が有効です。
難聴や耳鳴、めまい感などは1回/週程度の頻度で通院が必要です。
それらが消失すれば1回から2回/月程度の頻度で経過を観察し、徐々に通院感覚を開けていきます。
鍼灸治療はメニエール病にとても有効な治療法の一つです。
当院の症例
症例:42才女性 専業主婦 やや細身
主訴:発症すると6~8時間持続する耳閉感・耳鳴り・嘔気をともなう回転性めまい
現病歴:
X-9年・・・症状出現(1~2回/年)
各科検査も器質的異常を認めず
メニエール病(耳鼻科)
X-3年・・・発作回数増える(2~3回/年)
X-1年・・・7月2回、10月~12月にかけて毎月発作出現
脳外科異常なし
耳鼻科再受診、メニエール病と診断
X年・・・ 5月に2回めまい発作
鍼灸院・整体院に通院も変化なし
耳鼻科系の鍼灸を希望し来院
治療:当院独自の耳鼻科系疾患のポイントに施術