【主訴】突発性難聴
【発症】X年3月18日
【現病歴】3月18日に難聴とめまいが出現。3月25日に耳鼻科受診し突発性難聴と診断される。標準純音聴力検査(以下オージオグラム)の結果、高音部の難聴。
ステロイド内服などの標準治療開始。
2日後にもオージオグラム施行。
低音領域の聴力の低下も認めた。
3日後のオージオグラム
低音領域は改善も高音領域は不変とのことで、鍼灸施術との併用を希望され来院された。
【施術目標および計画】
①高音領域の聴力改善
②低音領域の維持
③めまい・耳鳴・耳閉塞感などの付随する症状の改善
1回/週の頻度の施術とする。ただし、聴力改善するまでは2回/週とする。
【施術】
当院の耳疾患標準施術
(頭部・頸部・肩部などへの施術および東洋医学的に脾・腎などの経穴への施術)
スーパーライザーによる星状神経節照射をおこなう。
【経過】
計3回の施術後のオージオグラムで4000Hzの聴力改善。
耳鳴・めまいなど付随する症状は残っているので引き続き施術を継続する予定。
【考察】比較的早期に聴力の改善を示した症例です。聴覚の有毛細胞は血管に近い方から低音領域→高音領域に配列されています。したがって血流の問題もありで高音領域は回復しにくい傾向にあります。耳鼻科医からも高音領域については回復は厳しい旨の説明がなされていました。しかし4月1日時のオージオグラムでは25dBまで改善し、ほぼ正常まで回復しました。また低音領域は正常値のまま安定傾向にあります。うまく回復した症例でした。