【要旨】
突発性難聴発症
約1ヶ月半後に耳鼻科受診→標準治療開始
※ゴールデンタイムを逃す
聴力変化なし
約2ヶ月後より鍼灸施術開始
※聴力固定の可能性大
ただし低音領域のみであるため改善の可能性も僅かにあり
【症例】
56才 女性
【主訴】突発性難聴
【初検】8月8日
【現病歴】
6月上旬に左耳の聞こえずらさを自覚。耳閉感・耳鳴り・音響
7月22日 耳鼻科受診
低音部の聴力低下が認められます。
ステロイド1週間、その後ビタミン剤という標準治療→経過観察
聴力の改善が見られないため8月8日鍼灸施術を希望され来院。
1回/週の頻度で鍼灸施術を開始。
8月18日
鍼灸施術は2回済み
あまり変化はないようですね。
この受診時の主治医コメント
『おそらくこれ以上は良くならないと思います』とのこと。
鍼灸開始して間がないこともあり、もう3週間ビタミン剤の処方と鍼灸施術を併用してみることに。
当院の方針も3週間後に聴力の変化を認めないようなら聴力固定とし、付随する症状(耳閉塞感・耳鳴等)への施術に変更することとしました。
9月8日
耳鼻科医コメント
『聴力が改善傾向にあるので、もう3週間処方を継続』とのこと。
250Hzと500Hzで約15d B改善しています。
僅か15dBのようにも思えますが、60dB代と40dB代とでは聞きずらさはかなり違ってきます。
これからどこまで改善するかはまだわかりませんが、聴力が動いている間は鍼灸施術を継続すると良いでしょう。
ゴールデンタイムを逃した症例だったが鍼灸施術を開始してから改善
- 聴力低下が高音部に比較して血流の豊富な低音部領域だったこと
- 当院の鍼灸施術が的確であったこと
- 瘀血の証であったことで血流改善による聴力回復が可能であったこと
- スーパーライザーによる星状神経節照射を的確に行ったこと
などが要因と考えます。
全ての人が治癒、改善するということは残念ながらありません。
しかし鍼灸施術によりその可能性が高まれば・・・
今より少しでも聴力が改善すれば・・・
聴力が固定してしまう前に一度鍼灸療法を試してみたらいかがでしょうか?