好酸球性副鼻腔炎(Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis, ECRS)は、鼻や副鼻腔の慢性炎症を特徴とする疾患です。特に好酸球という白血球の一種が増加し、鼻腔や副鼻腔の粘膜に炎症を引き起こします。この病気は、従来の副鼻腔炎とは異なり、難治性で再発しやすい特徴があります。
【好酸球性副鼻腔炎の主な特徴】
- 症状:
- 鼻づまり
- 臭いがしない(嗅覚障害)
- 鼻汁(膿が混じる場合もある)
- 顔面の痛みや圧迫感
- 慢性的な頭痛
- 病因:
- 原因は完全には解明されていませんが、アレルギー反応や免疫系の異常が関与していると考えられています。また、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などを併発しているケースが多いです。
- 診断:
- 診断は、鼻内視鏡検査やCTスキャンで行われ、好酸球の増加を確認するために鼻汁や血液の検査が行われます。
- 治療:
- 一般的には、ステロイドや抗ヒスタミン薬が用いられますが、症状が重い場合や再発を繰り返す場合には手術が検討されます。しかし、手術後も再発することが多いため、鍼灸などの補完療法も選択肢の一つとして注目されています。
【好酸球性副鼻腔炎の影響】
この疾患は、日常生活におけるQOL(生活の質)を大きく低下させることがあります。嗅覚の喪失や顔面の不快感が続くため、患者の心理的なストレスも増大します。したがって、早期の診断と治療が重要です。
【こんな方に鍼灸がおすすめ】
手術後に再発し、再手術はできるならしたくない。
鍼灸施術により症状が緩和され、臭いなども改善していきます。
ただし完全な回復は難しい、定期的な施術が必要、日常生活の改善が必要など一定条件がありますが、
今よりは快適に生活できるようになります。
下記は症例の報告です。
参考になさってください。
【症例概要】
46歳の女性、自営業を営んでいる患者様が、好酸球性副鼻腔炎を患い、当鍼灸院にご来院されました。主な訴えは「臭いがしない」というもので、投薬や手術を避け、臭覚の回復を目的としていました。
【病歴と治療経過】
この患者様は、令和4年10月に好酸球性副鼻腔炎と診断され、その後手術を受けましたが、再発を繰り返し、最終的に鍼灸療法に希望を託して当院を訪れました。治療では、脾虚(ひきょ)に焦点を当て、脾兪、腎兪、肝兪などの経穴を中心に施術を行いました。
治療を開始した後、ステロイドの使用頻度は顕著に減少し、臭覚の回復が見られる日も多くなりました。風邪を引いた際には一時的に臭いが感じられなくなりましたが、それ以外の期間では症状が約7割程度改善し、患者様のQOL(生活の質)も大いに向上しました。
【施術のポイント】
本症例では、古典的な鍼灸理論に基づき、鼻の不調は脾臓の機能低下と関連するとの説を参考にしました。鍼灸の施術により、全身のバランスを整え、自然治癒力を高めることで、薬物に頼らずに症状のコントロールが可能であることが示唆されました。
【結果と考察】
患者様は手術後の再発が続き、再手術も検討されていましたが、鍼灸療法により症状の緩和と再発の防止が図れました。この結果から、鍼灸療法が好酸球性副鼻腔炎の治療において有効である可能性が示されました。また、有害事象も認められず、安全性の高い治療法として評価できるでしょう。
【結語】
- 好酸球性副鼻腔炎の症例に対し、鍼灸療法を実施しました。
- 鼻は脾という伝統的な説に基づき、脾虚を中心に施術しました。
- 症状が改善し、QOLが向上しました。
- 鍼灸療法は、好酸球性副鼻腔炎の治療において試してみる価値のある療法と考えられます。
【鍼灸院にご来院される皆様へ】
もし、鼻や副鼻腔の問題でお悩みの方、特に好酸球性副鼻腔炎のように治療が難しいと言われている方には、当院の鍼灸療法をぜひ一度お試しいただきたいと思います。薬物療法や手術に頼ることなく、自然な方法で症状を緩和し、日常生活の質を向上させるお手伝いができるかもしれません。お気軽にご相談ください。
さらに詳しい情報は、こちらのリンクとよしま鍼灸院 (toyoshima-hari9.com)をご覧ください。