当院では鍼を用いず、スーパーライザーと温灸のみで行う妊活施術外来を開始しました。
スーパーライザーとは
直線偏光近赤外線治療器といい身体の深部まで光を到達させることのできる治療器のことです。
通常の赤外線治療器は皮膚でほぼシャットアウトされるので、深部の筋肉はもちろん神経や血管、動脈・静脈・リンパなどに直接刺激することはできませんでした。
しかしスーパーライザーは体表から数センチまで光線が届きますので直接的な刺激が可能となる治療機器です。
すでに多くの生殖クリニックで取り入れられている治療器で、不妊治療の現場では注目されていました。
一般的な赤外線治療器は皮膚や筋肉までしか光が届かないのですが、スーパーライザーは筋肉よりさらに深部にある自律神経や動脈、静脈、リンパなどへのアプローチが可能となる最新の光線治療器です。
上記の特性とこれまで当院が妊活鍼灸で得た治験を融合させてより効果的な施術を目指すこととしました。
実際に低出力レーザー(LTTT)療法による有効性が既に報告されております。
この低出力レーザーよりもスーパーライザーの方が体表からの深達度が大きいためより有効性は大きいと思われます。
スーパーライザーによる具体的な施術について
星状神経節照射による交感神経ブロック
星状神経節照射による交感神経ブロックにより副交感神経優位にさせてホルモン異常や血流改善を目指します。
ほぼ全ての妊活治療中の方はストレス状態となっています。タイミングレベルの方からすでにストレスとの共存生活がスタートし、ステップアップするにつれてストレス状態は大きくなります。これを自律神経の観点から言うと交感神経優位といいます。
ちなみにこの反対であるリラックス状態(ストレスフリー)は副交感神経優位といいます。妊活そのものを止めて2人の生活を選択した、とたんに妊娠したというのはまさにストレスフリーの状態が妊娠に作用した典型例なのです。
このストレス状態である交感神経優位状態は内臓の血管を収縮させ、結果として卵巣動脈や子宮動脈の血流悪化を招き、良質の卵子・子宮内膜の形成に悪影響を及ぼします。
また自律神経とホルモンはセットとして考えることがセオリーなので自律神経が乱れていれば必ずホルモンも乱れてくるのが常なのです。
そこでこの交感神経をブロックすることで強制的に副交感神経を優位にし、内臓血管の血流を改善、ホルモンを正常化させることで卵子子宮内膜に好影響を及ぼすことが可能になります。
スーパーライザーによるツボ照射
従来より妊活施術で用いていたツボにスーパーライザー照射することでし鍼を施術した時と似たような効果を目指します。
いわゆるツボと呼ばれる部位には神経終末が密になっていることや、その筋膜上にはポリモーダル受容器が存在するので、温熱刺激にも反応する部位ともいえます。そこで卵巣や子宮の血流などに関与するツボに照射することで血流改善効果が期待できます。
温灸による施術
東洋医学的アプローチを行うときに用います。
東洋医学的分類
不妊の状態を「気虚・気滞・瘀血・血虚・水毒」というカテゴリーに分類し、施術をおこなうことで妊娠しやすい体に変えようとするものです。
そのアプローチには温灸を使いツボを刺激していきます。
スーパーライザーと温灸による施術の効果については鍼灸施術併用に比べて若干落ちますが、鍼を刺されることがどうしても嫌な方などはこちらの方で施術を受けられてはいかがでしょうか?