突発性難聴を発症して約1週間後より鍼灸施術を開始できた症例を紹介します。
【症例】55才 女性
【主訴】突発性難聴
【初検日】X年8月16日
【現病歴】
X年8月10日 突然首や肩のこりが強くなるのに気づく。同時に左耳の詰まった感じと腫れぼったい感じを自覚
8月11日 耳鼻科受診。突発性難聴と診断され入院し、ステロイドパルス療法含む標準治療を受ける。
16日 退院し転医。同日に鍼灸施術との併用を希望され来院された。
左:耳鼻科初診時と右:退院時の聴力
ほとんど変化がないことがわかります。
【施術および経過】
8月16日鍼灸初検
施術:左側頭部、左胸鎖乳突筋部、上背部の筋緊張部位へ置鍼、照海・腎兪へお灸(腎虚体質のため)
8月22日 耳閉感↓腫れぼったい感じ↓
8月29日 先週よりも耳閉感↓、腫れぼったい感じ↓、少し音が聞こえるような気がする
9月2日
9月2日の聴力
ほぼ発症前の聴力に回復し、耳閉感、腫れぼったい感じ、耳鳴、音響など全て消失。
治癒としました。
発症後から退院までの間で聴力が変化していない症例でしたので、どこまで聴力が戻るか不明でしたが回復しました。
9月2日の耳鼻科での診察時のこと、
検査技師『本当に患側である左側の耳に当てました?』
主治医『!???』
2人とも驚いた顔してましたよとのことでした。
みなさんこのように治癒するわけではありませんが、聴力が回復する可能性のある期間ゴールデンタイムは限られていますので、その期間を逃さないようにしましょう。
以下のような症状があれば特に鍼灸の適応です。
首が痛む
首や肩がこっている
エラが張っているように見える
口が開けにくい
舌の周辺がギザギザになっている
入院中のかたは退院後すぐに、通院のみの方はステロイド治療と併用可能です。
なるべく早期に施術を開始することが回復の大きなポイントです。