耳鳴とは外部からの音刺激がないのに 耳に音を感じることと定義されています。
成人の15%がなんらかの耳鳴を経験し、そのうち20%が生活に支障をきたすほどの耳鳴で悩まされているとされています。人数にすると約300万人になります。
耳鳴には自覚耳鳴と他覚的耳鳴に分類されますがほとんどは自覚的耳鳴です。
他覚的耳鳴には血管音やアブミ骨筋などが原因のことが多いとされています。
そこでここでは一般的な自覚的耳鳴にしぼって紹介します。
【耳鳴の原因】
鼓膜~中耳~内耳~聴覚神経~大脳聴覚野のどの部分にトラブルが起きてもおこりますが中耳炎や鼓膜のトラブルなど原因が明確な場合を除くと、耳鳴の原因は以下の図のようなメカニズムで発症するといわれています。
高音部(黄色)のメモリが低下しています。これは高音部の聴力が低下していることを表した写真です。
これまで聞こえていた聴力が低下したので、大脳の聴覚野が感度を上げようとして興奮した結果、通常では拾うことのなかった電気信号まで拾うようになり、それが耳鳴音として聞こえてしまうというのがメカニズムです。
したがって耳鳴は耳が鳴っているのではなく、脳が鳴っていると理解しましょう。
さて、耳鳴で悩んでいる人以外耳鳴は感じないのでしょうか?
実は耳鳴は静かな無音の環境下ではほとんどの人が耳鳴を感じています。
問題はそれが常に意識してしまうのか?それが不快に感じてしまうか?なのです。
耳鳴で苦しんでいる人は
- 大脳辺縁系の海馬で不快な経験として記憶される
- ⇒扁桃体では不快感や恐怖として認識
- ⇒扁桃体は視床下部を通じて自律神経に「退避行動」を取るように命令
- ⇒退避行動は、心拍数の増加、血圧の上昇など、危険に対して身構えているようなもの
- ⇒緊張を強いられた状態
- ⇒自律神経の緊張状態は、大脳皮質を刺激
- ⇒大脳辺縁系へ不快なストレスを伴った信号が巡り巡っていくという悪循環を来たす。
このように耳が問題なのではなく、脳が複雑に関与しているのが耳鳴なのです。
まずは専門医で以下のような疾患がないか診察を受けてください。
- メニエール病
・突発性難聴
・老人性難聴
・ラムゼイ・ハント病
・薬剤性内耳障害
・自律神経失調症
・外耳道炎
・耳硬化症、中耳炎、鼓膜炎
・耳管機能不全、耳管炎
・聴神経腫瘍、聴神経炎
・脳の外傷、脳腫瘍、脳出血、脳幹梗塞上記の疾患がない場合、西洋医学的治療は限られていますので、鍼灸治療が有効かもしれません。
鍼灸治療では下記のような効果が期待できます。
内耳の血液循環改善
聴神経の血流改善
大脳辺縁系や大脳皮質の異常興奮の鎮静化
自律神経の調整
などを目的に行います。
また耳鳴の発症原因が、
突発性難聴やメニエール病の蝸牛型などによる聴力の低下なのか?
うつ・自律神経の異常によるものなのか?
高齢による聴力低下なのか?
風邪や中耳炎による一過性のものなのか?
などを鑑別し、それぞれに対応していきます。
耳鼻科での治療については限られており、『気のせいなので慣れるしかない』と放置されてしまうことが多いようです。
上記のような作用機序で鍼灸療法は耳鳴に対しては有効な手段となります。
突発性難聴の発症約2ヶ月後より施術を開始
【要旨】
突発性難聴発症
約1ヶ月半後に耳鼻科受診→標準治療開始
※ゴールデンタイムを逃す
聴力変化なし
約2ヶ月後より鍼灸施術開始
※聴力固定の可能性大
ただし低音領域のみであるため改善の可能性も僅かにあり
【症例】
56才 女性
【主訴】突発性難聴
【初検】8月8日
【現病歴】
6月上旬に左耳の聞こえずらさを自覚。耳閉感・耳鳴り・音響
7月22日 耳鼻科受診
低音部の聴力低下が認められます。
ステロイド1週間、その後ビタミン剤という標準治療→経過観察
聴力の改善が見られないため8月8日鍼灸施術を希望され来院。
1回/週の頻度で鍼灸施術を開始。
8月18日
鍼灸施術は2回済み
あまり変化はないようですね。
この受診時の主治医コメント
『おそらくこれ以上は良くならないと思います』とのこと。
鍼灸開始して間がないこともあり、もう3週間ビタミン剤の処方と鍼灸施術を併用してみることに。
当院の方針も3週間後に聴力の変化を認めないようなら聴力固定とし、付随する症状(耳閉塞感・耳鳴等)への施術に変更することとしました。
9月8日
耳鼻科医コメント
『聴力が改善傾向にあるので、もう3週間処方を継続』とのこと。
250Hzと500Hzで約15d B改善しています。
僅か15dBのようにも思えますが、60dB代と40dB代とでは聞きずらさはかなり違ってきます。
これからどこまで改善するかはまだわかりませんが、聴力が動いている間は鍼灸施術を継続すると良いでしょう。
ゴールデンタイムを逃した症例だったが鍼灸施術を開始してから改善
- 聴力低下が高音部に比較して血流の豊富な低音部領域だったこと
- 当院の鍼灸施術が的確であったこと
- 瘀血の証であったことで血流改善による聴力回復が可能であったこと
- スーパーライザーによる星状神経節照射を的確に行ったこと
などが要因と考えます。
全ての人が治癒、改善するということは残念ながらありません。
しかし鍼灸施術によりその可能性が高まれば・・・
今より少しでも聴力が改善すれば・・・
聴力が固定してしまう前に一度鍼灸療法を試してみたらいかがでしょうか?
妊娠と抗ストレス作用
妊活施術を行う前の初回の面接時に必ず説明することを少しずつ書いていこうと思います。
今日は
『なぜ妊活に鍼灸が良いのでしょうか?』
です。
鍼灸のメカニズムから考えるとたくさんあります。
その中でも一番は
『鍼灸には抗ストレス作用がある』ということ。
もれなく妊活さんは『妊活』を始めた瞬間からストレスとの共存生活が始まります。
これがステップアップするにつれてまた妊活期間が長くなるにつれてストレスの度合いが強くなります。
妊活にストレスはマイナスということを野生動物を例にして紹介します。※人間も動物なので基本的には同じと思ってください。
野生動物がストレスを感じる時は敵が目の前にいること、すなわち生死がかかった状態です。
この時、動物は敵から逃げるか闘うかの2択になります。
したがって血液の流れを含む生体の機能は骨格筋が優先され内臓への働きは抑制されます。
逃げるためには早い足が必要、
闘うためには強力な力が必要。
内臓の動きなんかは二の次ですよね。
言い換えると妊娠なんて二の次の状態。
妊活中はこの状態がずっと続いていることとも言えます。
『たまにはリラックスして〜』とか
『ストレスためないように〜』とかアドバイスされるように、
ご本人や周囲の人たちも含め、みなさんストレスが一番悪いとわかっているんですよね。
しかし妊娠するか妊活をやめるか以外はストレスは無くなりません。
これが高度生殖医学の中で見落とされているところであり、対処できていないところでもあります。
そこで鍼灸療法の出番です。
鍼灸療法の効果の一つに『抗ストレス効果』があることが各種の指標で証明されています。
したがって頭はストレスいっぱいには変わりませんが、体はストレスフリーの状態にしてあげることができる。
その状態をキープすることで良質の卵と子宮内膜が得られ、結果として妊娠率の上乗せができる可能性があるというのが妊活鍼灸を受ける大きなメリットの一つなのです。
鍼灸療法の抗ストレス作用。
論文も本当にたくさんありますので、ここでは紹介しません。
『鍼灸 抗ストレス』なんかでググってみてください。
本日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
スーパーライザーによる妊活施術
当院では鍼を用いず、スーパーライザーと温灸のみで行う妊活施術外来を開始しました。
スーパーライザーとは
直線偏光近赤外線治療器といい身体の深部まで光を到達させることのできる治療器のことです。
通常の赤外線治療器は皮膚でほぼシャットアウトされるので、深部の筋肉はもちろん神経や血管、動脈・静脈・リンパなどに直接刺激することはできませんでした。
しかしスーパーライザーは体表から数センチまで光線が届きますので直接的な刺激が可能となる治療機器です。
すでに多くの生殖クリニックで取り入れられている治療器で、不妊治療の現場では注目されていました。
一般的な赤外線治療器は皮膚や筋肉までしか光が届かないのですが、スーパーライザーは筋肉よりさらに深部にある自律神経や動脈、静脈、リンパなどへのアプローチが可能となる最新の光線治療器です。
上記の特性とこれまで当院が妊活鍼灸で得た治験を融合させてより効果的な施術を目指すこととしました。
実際に低出力レーザー(LTTT)療法による有効性が既に報告されております。
この低出力レーザーよりもスーパーライザーの方が体表からの深達度が大きいためより有効性は大きいと思われます。
スーパーライザーによる具体的な施術について
星状神経節照射による交感神経ブロック
星状神経節照射による交感神経ブロックにより副交感神経優位にさせてホルモン異常や血流改善を目指します。
ほぼ全ての妊活治療中の方はストレス状態となっています。タイミングレベルの方からすでにストレスとの共存生活がスタートし、ステップアップするにつれてストレス状態は大きくなります。これを自律神経の観点から言うと交感神経優位といいます。
ちなみにこの反対であるリラックス状態(ストレスフリー)は副交感神経優位といいます。妊活そのものを止めて2人の生活を選択した、とたんに妊娠したというのはまさにストレスフリーの状態が妊娠に作用した典型例なのです。
このストレス状態である交感神経優位状態は内臓の血管を収縮させ、結果として卵巣動脈や子宮動脈の血流悪化を招き、良質の卵子・子宮内膜の形成に悪影響を及ぼします。
また自律神経とホルモンはセットとして考えることがセオリーなので自律神経が乱れていれば必ずホルモンも乱れてくるのが常なのです。
そこでこの交感神経をブロックすることで強制的に副交感神経を優位にし、内臓血管の血流を改善、ホルモンを正常化させることで卵子子宮内膜に好影響を及ぼすことが可能になります。
スーパーライザーによるツボ照射
従来より妊活施術で用いていたツボにスーパーライザー照射することでし鍼を施術した時と似たような効果を目指します。
いわゆるツボと呼ばれる部位には神経終末が密になっていることや、その筋膜上にはポリモーダル受容器が存在するので、温熱刺激にも反応する部位ともいえます。そこで卵巣や子宮の血流などに関与するツボに照射することで血流改善効果が期待できます。
温灸による施術
東洋医学的アプローチを行うときに用います。
東洋医学的分類
不妊の状態を「気虚・気滞・瘀血・血虚・水毒」というカテゴリーに分類し、施術をおこなうことで妊娠しやすい体に変えようとするものです。
そのアプローチには温灸を使いツボを刺激していきます。
スーパーライザーと温灸による施術の効果については鍼灸施術併用に比べて若干落ちますが、鍼を刺されることがどうしても嫌な方などはこちらの方で施術を受けられてはいかがでしょうか?
片頭痛には鍼灸がおすすめ
日本で片頭痛に悩んでいる方は人口のは8%といわれ、QOL(生活の質)を著しく低下させます。
一般的な治療法としてはトリプタン製剤が有用ですが、あまり効果がない場合や投薬過多により薬物乱用性頭痛の存在も指摘されています。トリプタン製剤で反応しにくい人に対しての新薬もまた研究されるでしょう。しかしまたそれも効果がない人も必ず出てくるでしょう。
本記事ではトリプタン製剤などの投薬治療に反応しにくい(効果がない)人や投薬でコントロールできている人でも投薬の回数を減らしたい、最近頭痛発作の頻度が短くなってきた、などの人に対して紹介するものです。
なぜ片頭痛が鍼灸で良くなるのでしょうか?
片頭痛は必ず最初にあるスイッチがONになることにより発作が始ます。
このスイッチは誘発因子によって起こることは知られています。
チョコレートやチーズ、アルコールなどの食品、月経、ストレス、睡眠不足・過剰など人それぞれあると思います。
その誘発因子プラス背景因子としてこれまで見逃されていたポイントが今回紹介する目的です。
片頭痛を楽にしたければ肩こりを解消しよう!
首や肩の筋肉のコリを処理して、柔らかくしておくと片頭痛のスイッチがONに入りずらくなります。結果として片頭痛の頻度や程度は軽減することが明らかになっています。
専門的なメカニズムは記事の最後に論文を紹介してありますので詳細を知りたい方はそちらの方へどうぞ。
普段から首・肩こりの自覚がある場合や自覚はないが、美容院などで触ってもらうと硬い!と指摘されている場合も同様です。
特に特徴的な症状を紹介します。
鍼灸療法が特に有効な人の特徴
- 日頃から首・肩が凝っている人(自覚はないが美容院なので硬いと言われたことがある人)
- 朝、起床直後より首やかたが硬いと感じる人
- 顎が疲れて口が開きづらい人
- 自身の舌の周囲がギザギザになっている人
- パソコンを見ていて疲れ目や目の奥の違和感が出やすい人
日頃から首・肩が凝っている人(自覚はないが美容院なので硬いと言われたことがある人)
朝、起床直後より首やかたが硬いと感じる人
顎が疲れて口が開きづらい人
エラが張っているように見える
自身の舌の周囲がギザギザになっている
パソコンを見ていて疲れ目や目の奥の違和感が出やすい人
このような症状がある人は首や肩にすでにコリが形成されていることが推測されるので、特に鍼灸療法が有効なことが多いです。
どんな施術をするのか?
頸肩部(三叉神経支配領域)のトリガーポイント(コリ)を処理し、筋肉そのものを柔らかくしていきます。また多くは自律神経の乱れも関与しているのでそれを整えるような施術も加えます。
1回/週の頻度の施術していき、経過を見て間隔を
鍼灸療法の報告
片頭痛発作予防に対する鍼治療効果 : 頭痛日数の減少と頭頸部等筋群の圧痛改善との関連について
鍼治療を一定期間継続することにより、頭痛日数が減少するとともに、頸肩部の筋群と咀嚼筋の圧痛や緊張が改善したことから、片頭痛に対する鍼治療効果はこうした筋群の圧痛を緩和することで頭痛日数が減少し、発作予防に寄与したものと考える。また、片頭痛の発作予防に対する鍼治療の作用機序は、上位頸神経や三叉神経を求心路とし、三叉神経脊髄路核を経て高位中枢に影響を及ぼし、発作予防に関与している可能性も考えられる。
基礎研究の立場から 鳥海 春樹
三叉神経領域に形成されたトリガーポイントを何らかの方法で処理すると偏頭痛発作の頻度が低下することは良く経験するところ・・・
・・・三叉神経系への慢性的侵害刺激が偏頭痛発作の前兆に関与する大脳皮質拡延性抑制の発生閾値を大きく低下させ、また発生時間を遷延させる・・・頭頸部の筋硬結や筋痛を治療する鍼治療が偏頭痛発作を抑制する経験的事実を裏付けるものである。
片頭痛に対する後頭部C2末梢神経野鍼通電療法:-天候の変化による発作の誘発が軽減された一症例-
本症例では主誘因である天候の変化による頭痛発作の誘発が軽減されたことが特徴であり、 後頭部C2末梢神経野鍼通電療法による三叉神経脊髄路核の感作の抑制が関連している可能性がある。
片頭痛の病態研究および治療に関する最近の知見より
鍼灸で産後のケア
心身の疲労が抜けない、うつ症状、食欲がない、睡眠不良、抜け毛、母乳が出ない、生理が来ない、2人目不妊、腰痛、肩こり、腱鞘炎、頭痛など産後に多い症状に対して鍼灸でケアを行います。
産後は出産時の影響でさまざまな影響が出ます。これは女性が妊娠中から出産後までドラスティックに体の環境が変化することに起因します。また近年、高齢の出産が増加傾向にあることからこの変化に対応できない、あるいは対応するまでに時間がかかる(産後の回復の遅れ)などから日常生活もままならないぐらいにつらくなる方も多いです。
また授乳中の場合はお母さんが摂取した栄養で母乳を作り分け与えることになりますので、より一層体調の回復は遅れることになります。またこの時期は投薬治療も限られますので、ただひたすら「体が楽になる日をじっと待つ」という方も少なくありません。
これらを総称して産後のマイナートラブルといいます。
マイナートラブル全般に対して
東洋医学では産後の状態を気虚・血虚・陰虚などが多くみられるとされています。心身の疲労、抜け毛、食欲不振、などもこれらが原因でいずれも妊娠、出産により母体のエネルギーが枯渇した状態が原因です。
そこで鍼灸療法ではそれらを補うようなツボに施術しエネルギーを補填することで体力の回復を図ります。
その他よくある症状について
産後の腰痛
原因
出産時の子宮骨盤の戻りが悪いこと
骨盤底筋や腹筋などの筋力が低下していることを背景とした、繰り返し行う赤ちゃんのベッド移乗などによる腰部への負担などが挙げられます。中には代償作用による大腰筋や臀筋群が痛みを出していることもあります。
鍼灸ケア
負担になっている腰部への施術+体力回復のための施術を組み合わせることで症状の改善を目指します。
よくある質問
Q、産後の骨盤矯正は必要ですか?
A、妊娠中から産後にかけて腰痛が発症した時、骨盤の異常として考えられることが多い。
骨盤の緩み、歪みなどと表現され産後の骨盤矯正が必須かのような宣伝文句も拝見されます。
本当に産後の腰痛は骨盤が原因なのでしょうか?
下記の報告を参考にしながら考えてみます。
産褥期の腰痛に関する研究:中澤貴代
この研究は質問紙法で有効回答数253/598で検討。
ちなみに産褥期とは出産後、妊娠前の体に戻るまでの期間をいいます。
一般的には6週から8週と言われています。
さて腰痛はいつから発症する人が多いのでしょうか?
下記はそれを表しています。
妊娠前から腰痛があった人が最も多く、妊娠を契機に腰痛を発症した人もついで多くあわせて41.9%になっています。
これらの人は産褥期においても腰痛が持続する傾向にあることがわかります。
次に下記のグラフを見てみましょう。
私が注目したのは恥骨結合部と鼠蹊部の痛みを訴えている群です。
妊娠前よりも妊娠期や分娩後1週間の方がグラフが高値になっているのがわかります。
この期間に痛かったと答えた人が多いということです。
また分娩後1ヶ月後には低値になり、痛いという人は少なくなっているということになります。
つまり恥骨結合部と鼠蹊部の痛みに関しては明らかに妊娠から出産までの間に何らかの影響で痛みが出現し、その影響は分娩後1ヶ月時には少なくなるということを表していると思われます。
これがリラキシンなどの作用により靭帯が弛緩し骨盤輪由来の痛みだと考えます。
産後にリラキシンの分泌は急速に減少し、約1ヶ月で靭帯の弛緩はもとに戻ると言われていますので、まさに一致します。
また分娩様式では腰痛の出現率に差はなかったと本文中にあることから出産時の影響はあまりないようです。
ここで仙腸関節部の痛みについて考えます。
上記のグラフでもこの部に痛みを訴える人がかなりいることがわかります。
筆者は仙腸関節部に痛みを訴える=仙腸関節由来の痛みとしていますが、ここに間違いがあります。
仙腸関節部に痛みを訴えている症例でも多裂筋や大殿筋や中殿筋、梨状筋、また脊髄神経の後枝由来の痛みのことの方が圧倒的に多いということは臨床をしているものであれば疑う余地はないでしょう。
したがって仙腸関節に痛みを訴える人の全てが骨盤輪由来の疼痛ではないということを頭に入れておくことが重要だと考えます。
そのほかの要因として、
産後の腰痛については骨盤底筋や腹筋の筋力低下
抱っこや授乳姿勢、ベッド移乗などに伴う腰殿部への負荷
睡眠不良による疲労
授乳による体力低下
などの複数の要因が重なって産後の腰痛として発症していると言われています。まとめると
産後の腰痛について、妊娠前や妊娠を契機に腰痛を発症する人が多く、そのような場合は産褥期まで継続する。
恥骨結合部と鼠蹊部の痛みは骨盤輪由来の疼痛の可能性が高いが産後1ヶ月程度で改善傾向を示す。
仙腸関節の痛みを訴える人も多いが、全てが仙腸関節(骨盤輪)由来ではない可能性が高い。
産後の腰痛を訴える場合は、育児期特有の背景もあるため総合的視点で考えなければいけないですね。
最後にこの研究ではそれぞれどのように対処しているかについて腹帯(42.2%)、腰痛体操(26.2%)、骨盤ベルト(6.7%)医療機関(3.1%)などであったとし、希望する対処法としてはマッサージ(51.0%)が1位だったことも紹介しています。あん摩マッサージ指圧師の先生にとってはチャンスかもしれません。鍼灸師にとってはセルフ灸などで対処できることが浸透していないようです。引き続きの活動が必要かもしれませんね。
本日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
頭痛
授乳姿勢や抱っこ姿勢などにより首や肩の筋肉の緊張が原因で頭痛を起こすことがあります。
慢性前立腺炎の鍼灸
目次
- 前立腺炎の説明
- 慢性前立腺炎とは
- 本邦における慢性前立腺炎に対する鍼灸療法の報告
- 当院の慢性前立腺炎に対する鍼灸療法
- 症例報告
- 不適応なケース
前立腺炎とは
前立腺炎とは,主に刺激性または閉塞性の泌尿器症状と会陰部痛の組合せとして出現する多様な疾患群を指す。
成人の9%でみられ、30代~40代に多くみられる。
尿検査・直腸診・前立腺マッサージ前後の尿検査および臨床像などで診断される。
症状はカテゴリーにより異なるが,典型的にはある程度の尿路の刺激または閉塞および疼痛がある。刺激症状は,頻尿および尿意切迫,閉塞,残尿感,排尿直後の再度の排尿,または夜間頻尿として現れる。疼痛は典型的には会陰部であるが,陰茎の先端,腰部,精巣に感じることがある。一部の患者は射精痛を訴える。(NIHによる分類)
Category Iが急性細菌性前立腺炎、
category IIが慢性細菌性前立腺炎で細菌が検出される。
細菌が証明されないcategory IIIは慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(chronic prostatitis/chronic pelvic pain syndrome; CP/CPPS)とも呼ばれ、90%以上を占める。Category IIIは炎症を有するIIIAと炎症を有さないIIIBに細分される。
症状を有さないが前立腺生検組織標本や前立腺圧出液・精液中に炎症所見を認めるものをcategory IV(無症候性炎症性前立腺炎)とする。
慢性前立腺炎とは
Category IIとIIIが慢性前立腺炎と呼ばれる病態である。
Category IIICP/CPPSは、(1)泌尿器の疼痛または骨盤周囲の不快感と、(2)尿路症状と性機能障害のいずれかまたは両方が、過去6カ月間に3カ月以上持続しており、尿道炎、尿生殖器癌、尿路疾患、尿道狭窄、膀胱に影響を与える神経疾患ではないことが明らかな状態を指す。
このカテゴリーにおける一般的な西洋医学的治療は抗炎症薬,筋弛緩薬(例,ときに骨盤底筋の攣縮を軽減するためのcyclobenzaprine),αアドレナリン遮断薬,その他の対症療法(温坐浴など)などがある。
上述の治療法全ての考慮に加えて,これまでに抗不安薬(例,SSRI,ベンゾジアゼピン系薬剤),仙骨神経刺激療法,バイオフィードバック,前立腺マッサージ,および低侵襲の前立腺処置(マイクロ波高温度療法など)が試みられているものの,治療に関する質の高いエビデンスはほとんどないのが現状であり、治療に難渋する例も存在する。
(Category IIICP/CPPSは成人男性の前立腺炎で90%)
その結果として常に存在する疼痛・違和感などがストレスとなり、自律神経系や中枢感作・うつ病などを発症してしまう症例もあるとされている。
本邦における慢性前立腺炎に対する鍼灸療法
主な報告は以下の通りである。
- 慢性前立腺炎に対する鍼通電療法、形井秀一、1992
- 慢性前立腺炎と前立腺炎様症候群の臨床的研究 7.慢性前立腺炎様症候群難治症例に対する低周波針通電療法、池内隆夫、1994
- 慢性骨盤痛症候群による会陰部不快感に対する陰部神経鍼通電療法、杉 本 佳 史、2005
下腹部や中髎穴、陰部神経などを治療部位とし、鍼通電をもちいているのがわかる。
当院の前立腺炎に対する鍼灸療法
慢性前立腺炎との診断をNIH分類のカテゴリーⅢB(慢性骨盤痛症候群・非炎症性)に該当する方への鍼灸施術となります。
当院の考え方
今感じている痛みや違和感は筋肉のトリガーポイントの関連痛及び絞扼性神経障害によるものと考えて施術します。
トリガーポイントとは筋肉に形成されたコリは発痛点となり、あたかも前立腺からの痛みのようになることをいいます。
また絞扼性神経障害とは、神経が筋肉に締め付けられて神経血流が低下し、神経痛様の疼痛の原因となっていることをいいます。
これら全てはトラベルらのトリガーポイントマニュアルを参考にしています。
【以下絞扼性神経障害について抜粋】
・・・陰部大腿神経は筋腹の中心を通って前面に現れる。時として腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経も本筋の筋腹を通過することがあり、不可解な痛みと知覚障害は圧迫・絞扼による症状の可能性も考慮するべきとしている。また陰部大腿神経の絞扼障害は鼠径部、陰嚢、陰唇、大腿内側に痛みと知覚障害を起こす・・・
座位姿勢のために前立腺が圧迫されて炎症を起こしているのではなく、
股関節の屈曲姿勢のために大腰筋の持続的収縮が矯正される→大腰筋が鬱血状態→トリガーポイント形成または神経の絞扼→疼痛が生じている。
また腰痛または潜在的な腰痛(腰痛の症状が下腹部の症状にマスクされているため感じていない)がある方も多くみられ、その施術により下腹部の症状が軽減してくる場合もあります。
したがって抗生物質やセルニルトンなど前立腺へアプローチしても症状が消失しない理由がここにあります。
【症例】
「下腹部から会陰部の違和感が改善した症例」
【症例】32才 男性 細身
【初診日】X年4月24日
【主訴】下腹部から会陰部の違和感
【現病歴】
X—1年:特に思い当たる原因なく下腹部に違和感が出現し、次第に会陰部まで広がった。一定期間経過観察していたが症状が改善しないためインターネットで調べ前立腺が原因ではないかと考えた。そこで泌尿器科を受診し、非細菌性の慢性前立腺炎と診断された。投薬治療を開始するも症状改善せず、X年4月に鍼灸治療を希望され来院。
【症状】
持続する下腹部から会陰部の違和感、射精時や射精後に違和感増強する。
起床時や就寝時に特に強くなる。
足の冷え(++)
長時間の座位や立位で大腰筋をストレッチさせるような姿勢になる。
慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI)16点(中等度)
HAD尺度 記載なし
【東洋医学的所見】
輪郭は肝虚・眼輪筋部軽度くま・色白
腹診:胸脇苦満・瘀血部圧痛
【理学所見】
トーマステスト(+)
小転子(圧痛、ジャンプサイン)、下腹部の大腰筋の筋腹(圧痛、放散痛、ジャンプサイン)
腰部の疼痛・圧痛(-)
【病態把握】
大腰筋のトリガーポイントからの関連痛、または大腰筋の短縮による絞扼性神経障害と安段した。
東洋医学的には瘀血と判断した。
【治療】
小転子の大腰筋付着部へスーパーライザー・パイオネックス貼付
大腰筋のストレッチとウォーキング・入浴を行うように指導した。
【経過】
5/2 (第2診)違和感10→3
5/17 (第5診)違和感10→1
5/23 (第6診)下腹部の違和感10→0となり経過観察とした
慢性前立腺炎症状スコア1点
12/6 (第7診)数日前より下腹部に軽度違和感が出てきたため来院
慢性前立腺炎症状スコア14点
3/12 (第8診)前回の治療直後から違和感消失し再出現せず。
最近運動が出来ていないため体の変化を見て欲しいとのことで来院。
症状は(―)
前回同様の治療・指導をおこなった。
第6診以降約10ヶ月で症状は数日のみのため終了とした。
【結果】
4/24 初診 5/23 第6診 12/6 第7診 3/12 16点 1点 14点 実施せず 大腰筋圧痛(++) 大腰筋圧痛(+) 大腰筋(圧痛++) 大腰筋(+) 【考察】
本症例はストレッチ姿勢、トーマステスト(+)小転子付着部や筋腹部の圧痛などの所見が存在していたことから、大腰筋がなんらかの関与をしている可能性が示唆された。また刺激法としては過去に経験した症例、本人が鍼治療は初めてということも考慮にいれ、スーパーライザーとパイオネックス貼付という軽微なものから始めることした。また足の冷えや所見から瘀血傾向も考慮し、入浴、運動などを指導しそれを実践していただいた。しかしなにより自律神経やうつ、中枢感作などの状態がなかったことが早期に症状の改善につながったものと考える。
結果として早期に疼痛の改善を認め、約10ヶ月の経過観察でも症状の再発は短期的なものであったことは本症例において選択した方法は妥当であったものと考える。 自律神経症状やうつなどを併発していないようなタイプにおいて、この方法はシンプルかつ、誰でも容易に行うことが可能なため、大腰筋の所見があれば試みても良い方法だと考える。
不適応なケース
抗うつ剤や抗不安薬など精神科系のお薬を服用している場合は不適応とさせていただいています。
また3回程度の施術で症状に何らかの変化がない場合は、不適応なようです。
逆に3回程度の施術で変化がある場合は鍼灸が有効だとも言えます。その場合でも再発防止の観点から数ヶ月~1年単位での施術が必要になる疾患です。
腰を据えて症状改善に取り組み、明るい人生にしませんか?
とよしま鍼灸院 top
舌でわかる不妊の原因
石川県能美市で開業しているとよしま鍼灸院です。
当院は不妊でお悩みの方、妊活中の方に鍼灸施術をおこなって15年になります。
タイミング・AIH・体外受精などのそれぞれの段階に対してさまざまな鍼灸施術をおこなっています。
今回は妊活さんと舌の関係について紹介します。
鍼灸療法では患者さんの状態や体質などを把握するときの一つに舌を見ることがあります。
これを「舌診」といいます。
今回はこの舌診と妊活さんのことについて紹介していきます。
特に原因不明でなかなか授からない妊活さんや2人目、3人目不妊などでお悩みの方は参考になると思います。
まずはご自身の舌を鏡でチェックしてみてください。
このような舌になっていませんか?
舌の周囲に歯の跡(ギザギザ)がついているのがわかります。
これは東洋医学では「気虚」という状態と捉えます。
わかりやすくいうと、エネルギー不足の状態です。
体がだるい
気力がない
疲れやすい
風邪をひきやすい
などの症状が出やすい状態です。
これは体質的なものもありますが、長引く妊活治療により心身ともに疲弊している方にもみられます。
このような場合、卵の育つスピードが遅くなったり、性周期が長くなったり、生理の量が減ったりすることになります。
また1人目は自然妊娠、体外受精の場合でもスムーズに授かったにも関わらず2人目がなかなかうまくいかないなどといういわゆる2人目不妊で悩むことにもなります。
このような方は鍼灸療法ではまずエネルギー不足の状態を改善させるような施術がファーストチョイスとする方が成績が良いようです。
その後や併用して自律神経の調整、ホルモンバランスの改善、卵巣や子宮の血流改善目的に鍼灸を行うことがより妊娠に導く近道のように考えています。
当院でおこなっている妊活鍼灸においてはこのように現代生理学的鍼灸療法と東洋医学的鍼灸療法を併用することで他院とは違う、もう一段妊娠導きやすい手法を取り入れて施術しています.
つわりの鍼灸
つわりは妊娠中に起こる主に悪心や嘔吐などのことをいい、とくに早朝空腹時が多いとされていますが、個人によってさまざまです。
つわりは妊婦の50~80%に起こりますが、50%は14週まで、90%は22週までに消失し、10%は22週以降も続いてしまうとされています。
さてそもそもなぜつわりになるのでしょうか?
免疫説、ホルモン説など諸説ありますが、現在では食欲を低下させることで血中インシュリンの濃度を低下させていること、食物内の毒素が体内に入るのを防いでいることなどにより胎盤形成がスムーズになっているのではないかという説が有力になっています。
研究によるとつわりが流産の確率を現象させているということが明らかになっています。
そもそも生体の反応には必ず意味があります。
つわり症状も上記のような大切な意味がありますが、必要以上の症状は鍼灸にて軽減(生体に必要な分は残存) させることはできます。それによって日常生活をのつらさを軽減 し楽しいマタニティ生活を送るというのが鍼灸治療の意味ともいえます。
使用する主な経穴は内関、裏内庭、豊隆、足三里というツボ。
基本は胃腸症状ということで胃の運動機能に関与する経穴が主になります。
また妊娠中ということでいわゆる卵巣子宮機能関連の経穴も併用することもあります。 いずれもその部位に反応があるところが治療点となります。
ただし研究によると内関というツボは患者さん自身の指圧やバンドが効果的となっていますので、セルフケア
さて今までのつわりに対する鍼灸治療は 「つわり症状を軽減させ、自然に消失するまでの時期を乗り切る」という報告がほとんどになります。
私の希望とすれば・・・ つわりの発症早期より鍼灸治療を行うことで、 22週以降もつづくとされる10%の割合が少なくなる。 (鍼灸してると消失する時期が早くなるんじゃないか?って思ってます) もしくは重症化(妊娠悪阻)の予防になるという報告があるといいなあって思う。 産科医にとってもそちらの方が「おっ!」って興味そそるんじゃないかなあ(QOLも大切ですが)この手首のツボを押す。 つわり症状がつらい時だけではなく、調子の良い時も押しておくのがポイント!
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クロミッドを理解しよう
当院の妊活中の患者さんはタイミングレベルからARTレベルまでのさまざまです。
その患者さんを見ていると、タイミングレベルでもクリニックによって対応(処方)が違うようですね。妊活って基本はオーダーメイドですので、個人個人といったほうが良いかも知れませんね。
そもそも誘発剤を使用した方が良いのか悪いのか?
しかしそれを考える前に基本的な知識を押さえておきましょう!ってことで、今更感満載なのですがクロミッドについておさらい。
〈臨床効果〉
排卵率60~90%
※生理の量が少なくなる(子宮内膜の非薄化)
おりものが少なくなる(頸管粘液の減少)
これらが妊娠率低下の一因とされる。
累積妊娠率のカーブは6周期以降で漸増、12周期投与以降で平坦化
※長期間の投与で効果の得られない時は他の療法を検討すべき。
原因不明の不妊症へのクロミッドの効果については,
その生産率において無治療群・プラセボ群VS治療群とは有意差がないことがメタアナリシスにより示されている。
※生殖医療の必須知識から抜粋
この薬はもともと頸管粘液を減少させて避妊するという目的で開発された薬らしいです。
したがってクロミッドでおりものが少なくなっている時点で妊娠の邪魔をしている可能性もあるかもしれませんね。これがデメリットになります。
投与には『おりもの』の状態に特に注意が必要な理由はこれですね。
またクロミッド使用している周期は自然周期よりも妊娠率が低かったとの報告もあります。
子宮内膜が原因で妊娠が成立しない(内膜の質が低下?)可能性があるということ。
着床障害を人工的に作っていることになるってこと?
〈これまでのまとめ〉
- 排卵していない場合はクロミッドで排卵させることで妊娠率は上がる。
- ただし長期投与においては注意を要する。
- 統計上は1年以上続ける有益性はなく他の治療を検討すべき。
- 原因不明の不妊(排卵しているけど妊娠しない)には投与すべきではない。
ってことなようです。
したがって排卵していて周期が一定であれば、誘発剤は当然必要ないということになります。
しかし排卵しているけどクロミッド投与されている人もいますよね。
それはなぜでしょうか?次にそれを考えます。
排卵はあるけどクロミッドはなぜ?
現実には排卵しているけど妊娠しない患者さんにも投与されている場合、何を狙っているかというと誘発剤の副作用に注目。
複数の卵胞が育ちやすいってこと。
つまりARTでも複数移植することで妊娠率があがるのと同様な理屈で複数の卵胞を育てることにより確率を上げようとしてるのだと指摘されています。
(クロミッド投与による多胎確率は7.5%程度。品胎は0.3%)
この率を高いとするか低いとするか・・・
つまり・・・
タイミングレベルにおいて原因不明の不妊(排卵しているけど妊娠しない)においてクロミッドを投与する目的は複数(2ヶ程度)の卵胞を育てて妊娠率を上げること。
逆に言うと投与しても単一の卵胞しか育つことができなければ、クロミッドを投与する目的は達し得なかったということになります。
自然に排卵している患者さんにクロミッドを投与しても妊娠率が上がるというエビデンスはない!とのこと。
〈まとめ〉
自然排卵している場合、誘発剤を使用する意味は少ない。
ただし生殖分野はオーダーメイドの治療ですので、エビデンスがないからといってその人にとって無効とも言えません。
したがってタイミングレベルでの誘発剤はいろいろとあるオプションの中の一つ程度の位置づけでよいのではないでしょうか。
そしてその治療法で妊娠しなければ違うオプションを選択すれば良いのです。
その1つに鍼灸治療もありますよ!ということを紹介がしたかったのでした。
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